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天使らんまん

天使らんまん

大阪日日新聞 8面

大阪日日新聞 8面

■渓流の四季を映す湯

日帰り悠湯散歩5■■■■■■■■■■
    
     摂津峡・花の里温泉 山水館

■■山は歌い、川は語る ■■■■■■■■■■
  
■枠内コメント

高槻市の面白さは、その二面性にある。JR北口の再開発で一層整備された中核都市は、その一方で、美しい田園風景や山河を抱いている。長年にわたり府民に愛されてきた景勝地・摂津峡。五月晴れの午後、訪れたその場所は、山あり谷あり、女手一つで掘り当てた野趣あふれる温泉ありと、ワイルドな魅力がいっぱいだった。(下川有紀乃記者)

■本文コメント

山の音 少年キャンプ場
バス停の「塚脇」から山道を選べば、摂津峡に入る。今回は下の口からキャンプ場へ回り、摂津峡公園をゴールにしたコース。東側の城山は芥川城跡が眠る山、また春は人出でにぎわう桜公園もあり、散策にはもってこいといえる。やっとの思いでたどりついた青少年キャンプ場だったが、シーズン前は人っ子一人おらず静か。夏本番を待つ野外炊飯場やロッジを見やりながら、山道を延々と登っていく。虫の声や風、そしてたまに行き交う人の「こんにちは」の声が唯一の「音」である。樹木の教材園での休憩中、どこからか民謡が聞こえた。山頂の広場に出ると木陰で初老の男性が一人歌っていた。「民謡の練習ですか」と尋ねる。「この週末に大会があるんですよ」と男性。聞けば週に三度ここを訪れ、発声の練習をするそうだ。民謡のほかにも剣道や尺八などもたしなむとか。かつては宝塚の楽団で働いていたこと、シベリアで抑留生活を強いられたこと、もう高槻に住んで三十年になること。そんな歴史が初夏の風の中で語られた。「そして今は、こうして民謡の練習に来てるわけです。おたくさんも、お一人でいらして大変ですね」「はい、仕事で」見知らぬ人との短い会話は穏やかで懐かしい。―しかし、平日に女一人で山登りする仕事って一体何なんでしょうね。

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久々のヘビ   白滝、摂津峡

「白滝」の指標を見つけると、途端に川の音が聞こえる。白滝へ下りれば、摂津峡。淀川に注ぐ芥川の中流域だ。急な階段、坂を下ってポイント地点の白滝に着く。小さな滝だが、涼しげな飛まつを飛ばしている。紅葉のころなら、もっと情緒があるだろう。そんなことを思っていると足元を不意にヘビが横断。「だあああああああ」。子供のころ以来の衝撃を味わい、必死で川べりに逃げると、懐かしき「マムシ注意」の看板が。しかもその横でご婦人たちが弁当を広げていた。なんだか素晴らしい風景である。気をとりなおして渓流を見ると、激しく流れる川に向かい、ポツポツと釣の人の姿がある。崖や奇岩が魅力とされる摂津峡に人々が溶け込み、こちらも素晴らしい光景。桜やフジの木々、水の匂いがとても近い。川は今日も激しく生きている。

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川のほとりの奇跡  温泉旅館「山水館」

「春はぽつぽつと咲く山桜が、またわびしさを漂わせていい。摂津峡の中で、この一帯は流れも変化に富み、一番情緒がある」摂津峡に沿って建つ温泉旅館、山水館。渓流や奇岩を一望できる露天風呂を案内しながら、女将(おかみ)の甲斐千歳さん(七〇)は、その眺望の魅力を語る。女将の視線の先には、終わりかけの山フジ。五月も半ばにはアユの放流も行われ、渓谷も夏の装いを始めている。一九七六年のオープン当初は、小さな「料理旅館」だった。観光地ではない土地での旅館経営は苦しく、甲斐さんは八二年にかけに出た。当時は珍しかった「温泉掘削」である。億単位の費用がかかる掘削工事。地質学者らの協力のもと、工事を二年間続け、二百九十八b目で見事に温泉を掘り当てた。「女将の執念と騒がれたが、工事中の二年間は生きた心地もしなかった」。不確実性に苦しみながら掘り当てた湯は、ラドンを含むアルカリ性単純泉温泉。全生活をかけた山水館は、豊富で高質な湯と、美しい景観を誇る温泉旅館に。甲斐さんは「多くの人々とのつながりで生まれた温泉」だと語る。渓流の音を聞きながらの露天風呂は、大阪とは思えない山里の雰囲気。湯船に映った紅葉や向かいの山々を見ていると、おおらかな気持ちになってくる。ホタル狩のシーズンも控え、摂津峡の温泉はこれから魅力を増すばかりのようだ。
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ほっとhot
高槻市に下宿して五年。恥ずかしながら摂津峡を訪れたことがなかった。取材をきっかけとした今回の初散策。坂道に泣き、ヘビにびびり、けもの道に幻惑され、と大いに混乱をきたした。しかしその一方で、風のふるさとや水の源、そして川のそばに生きる人の物語に、少しだけ触れることが出来た。ひなびた山里を愛し、温泉を愛し、かつ足腰に自身のあるご仁にお薦めである。

歩数計6604歩

(大阪日日新聞 8面より抜粋)

週刊 鉄道の旅 別巻3

週刊 鉄道の旅 別巻3

2004年2月19日号掲載

講談社/毎週木曜発売

◆*******沿線インフォメーション********◆

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  摂津峡のほとり、2種類の湯が楽しめる
               山水館

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■本文コメント

 花の里温泉は“摂津耶馬溪”の異名を持つ名勝・摂津峡の渓流のもと、風光明媚な地にある、知られざる名湯である。もともと料理旅館として創業した「山水館」が、自然に恵まれた土地柄、「ここに温泉があったらどんなにいいことか・・・・・・・」との思いから掘削を始め、昭和59年、みごと掘り当てた高槻で初めての温泉だ。2種類の湯があり、1号泉のラドンを多く含むアルカリ性単純泉は内湯の岩風呂、2号泉のアルカリ性純重曹泉は芥川の渓谷を見下ろす露天風呂に注がれている。特に2号泉の重曹泉は、標準の温泉規格の2.5倍の濃度があり、美肌に効果があるだけでなく、療養泉としても効能が高い。つるつると肌を滑るような湯ざわりからも、その濃密さは十分実感できる。湯量も膨大で、日帰り温泉施設「祥風苑」(TEL072-689-6700)も営業している。

■上下写真コメント

芥川のほとりにある露天風呂では、四季折々の渓谷美が楽しめる。湯は「祥風苑」から運び、時間による男女入れ替え制(上)。名物はキジ鍋。出しのきいたスープは、最後に雑炊にして味わう(左)。

(週刊 鉄道の旅 別巻3 2004年2月19日号掲載分抜粋)

ニュース・スクランブル/讀賣テレビ放送

ニュース・スクランブル/讀賣テレビ放送

放送予定日:2003年(平成15年)8月25日(月)予定
放送時間:月曜〜金曜夕方6時19分〜7時

《渓谷の納涼温泉》

■摂津峡の自然を満喫!(高槻市)「摂津峡 花の里温泉 山水館」
大阪市内から車でおよそ30分。高槻市の摂津峡は街中からすぐの立地条件でありながら涼しげな清流や滝、木々の緑に包まれ、都会の喧騒を忘れさせてくれる。その摂津峡の中で、静かな憩いの時を過ごせるのが清流沿いに建つ旅館「山水館」。この時期は新鮮な鮎の塩焼きなどが味わえる季節毎の会席料理を堪能した後は、清流が目の前に広がる露天風呂へ。川のせせらぎを聞きながら温泉に浸っていると、ここが大阪だとは思えぬ開放感と納涼気分を満喫できる。